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2013年8月20日 (火)

ジュビロは本当に降格するみたいだ

 16位と17位の直接対決でドローなので、喜ぶのは鳥栖や甲府といった順位近傍の他チームだ。それでも湘南からすれば退場者を出して追いついたのだから救いがある。最もダメージが大きいのは磐田だ。依然として17位の降格圏で課題も明確ではない。監督交代のカードはすでに切っているし、移籍ウインドーも閉じた。打開策があるのだろうか?
(2013年8日17日 湘南ベルマーレ1―1ジュビロ磐田 ShonanBMWスタジアム平塚)

 湘南のGKアレックス・サンターナが退場したのは自爆みたいなものだ。なぜかペナルティ・エリアを飛び出して味方DFと交錯した。弾んだボールを拾った磐田の選手がロングシュートを狙うと、アレックスはPAに戻りきる前に手を使ったセービングをしてしまい、レッドカード。
 磐田の先制点は60分、そのハンドによってもたらされたペナルティアーク内からの直接FKを駒野友一が決めたもの。アレックスの替わりに投入された湘南GK安藤駿介にとっては、ファーストプレイであったし、壁の間を抜けてきたボールだったし、困難だった。

 このゲームにおける磐田の問題点は、人数の少ない湘南相手に追加点を奪えないばかりか、追いつかれたことである。しかも、唯一の光明ともいえる先制点は「棚から牡丹餅」に近いものであった。主体的に自らの良さを出したとは言い難い。駒野のキックは素晴らしかったけどセットプレーだし。
 あ、開始早々に金園英学のゴールが取り消されたオフサイド判定は怪しかった。あのゴールが認められれば4月の対戦と同じように一気に流れが傾いたかもしれない。まあ、それは言いっこなしということで。そもそも数的優位を生かせずリードを守れなかったという事実が厳然とあるのだし。

 湘南サイドから見れば、勝因は数的不利の中で走り勝ったことだと総括できるのだけど、磐田をどう評価すればよいのだろうか。なんだかわけがわからない。このわからなさは、2012年のガンバや2010年のFC東京と同じ性質のものなのだろうか?
 試合開始時の磐田の布陣は4-2-2-2だった。GKは川口を外して八田直樹が2試合目。DFラインは右から駒野-菅沼駿哉-伊野波雅彦-宮崎智彦の4人。ボランチに小林裕紀と藤田義明を並べ、右SHに移籍後初出場のカルリーニョス、左SHに山田大記。そして金園と前田遼一の強力2トップ。

 前節に先発から外れた前田は、この試合の前まで20試合で4ゴールと期待を裏切っている。とはいえ、相手チームからすれば脅威であることに変わりはない。ボールを収められるし、精力的に動いてスペースメイクをしている。そしてチェイシングのド迫力がすごかった。自陣ゴール裏から見ていたのだけど、地面を踏みしめながら迫り来る感じが恐ろしかった。
 その前田と金園の2トップは、磐田サポには不評のようだ。確かに連動感はなかった。だけど、そもそも2人のコンビネーションを追求する気もないように見えた。前田と駒野、前田と山田、というユニットが大事で、金園は基本的にはウイークサイド担当だった。金園の適性に合っているのかどうかはともかく、それなりに脅威ではあった(オフサイドになった場面とか)。

 もう1人のSHカルリーニョスは存在感がなかった。後半になってボランチに移ってからのほうが生きていたように思える。まあ、駒野のオーバーラップを誘発するという意味では機能していたともいえる。
 その一方で、逆サイドの左SB宮崎は攻め上がってた? 後半にはWBの位置に上がったけど、それを含めて攻撃参加の印象が薄い。駒野が上がるから逆サイドは自重、という考え方もありうるが、残って守らせるのには向いていないだろう。このゲームで湘南は、宮崎に対して古林将太をぶつけてハイボールを競り合わせていた。古林173cm、宮崎170cmというのが公式発表だが、それよりも身長差があるように見えた。
 磐田のシステムでは、サイドアタックはラテラウの仕事とされているように見える。となれば宮崎が攻め上がらないのは問題であり、「攻め上がらなかった」のではなく「攻め上がれなかった」と解釈すべきだろう。
 理由は明確。湘南の1トップ、ウェリントンが効いていたからだ。基本的には藤田がマッチアップしていたが、ハイボールはほとんどすべてウェリントンが触っていたし、楔のボールをキープし、うまくさばいていた。あの状態でサイドバックに攻め上がれと言っても無理だろう。駒野のオーバーラップも、4月の対戦時に比べると目立たなかった。

 ハーフタイムを挟んで、磐田はフォーメーションを3-4-1-2にしてきた。4月の対戦時には「あえて(3-4-2-1で)マッチアップさせて」選手の力量差をクローズアップしようとしたが、そのときとは狙いが違うのだろう。
 両サイドバックの位置をWBに上げて攻撃参加を促したのは間違いないだろう。ウェリントンに対しては、ボランチの藤田を3バック中央に下げることで3人で見ることにしたのかな。
 カルリーニョスをボランチに移したのも、彼のプレースタイルに合わせたというだけでなく、3バック+2ボランチの5人でウェリントンを囲む狙いなのかなと思った。
 その辺を見極められないうちに伊野波の負傷退場、サンターナの一発退場があったので、結論はいえない。

 いずれにしても、磐田は「どこが悪い」という感じではなかった。局面局面で見れば脅威を感じさせるけれど、全体が何となくパッとしないのだ。
 なんだかタチが悪そうだ。個々のクオリティがハマれば勝てるゲームもあるだろう。しかし問題意識の共有は進まず、勝点が不足したままズルズルとシーズンが進みそうだ。
 さらに、今季の降格ラインは低くなりそうだ。磐田、湘南、甲府、鳥栖の4チーム中2チームが残留できるのだ。磐田からすれば危機感も抱きにくい。

 湘南にとっては好都合だ。磐田が2012年のガンバや2010年のFC東京のようにしくじってくれると、残留の可能性が上がるのだから。
 もはや磐田は監督交代もできないだろうし、選手の入れ替えもほぼ不可能だ。怪我人が戻ってくるというわけでもないし、起爆剤を探しにくい状況だ。これは期待したくなる。
 まあ、湘南は次の甲府戦、9月の鳥栖・大分のアウェイ連戦で劇的に勝っていかないと道が開けないのだけど。

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高スポ執筆者

  • 荒木又三郎
    高スポ創刊者にして主筆。ACミランを愛する後天性フランス人。高スポ編集雑記に本音をぶちまける。
  • 三鷹牛蔵
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