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2013年8月16日 (金)

大阪市中央体育館で四大陸フィギュアを見た

 「なみはやドームには戻れない」。半年も前の話だが、2月に四大陸選手権に行った感想を書き留めておく。その前に大阪に行った時に、大阪さえも全日本選手権を開催する資格がないと書いたのだが、この大阪市中央体育館があるなら大丈夫だ。大阪で行うフィギュアスケートのビッグイベントは、もうこっちでやろうぜ。
(2013年2日8日~10日 2012四大陸フィギュアスケート競技大会 大阪市中央体育館)

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 なみはやドームの問題点はアクセスだ。長堀鶴見緑地線の終点・門真南駅のすぐ目の前という立地は一見良さげだが、その長堀鶴見緑地線が大問題だ。いわゆるミニ地下鉄(東京でいえば大江戸線)で車両が小さくて定員が少ないし、4両編成では客をさばけない。フィギュアスケートの競技会はしばしば深夜に及び、「帰れないのでは」という心配が出てくる。
 大阪市中央体育館は中央線朝潮橋駅から徒歩数分。とにかく中央線のアドバンテージが大きい。一般的な20メートルの車両で6両編成だ。定員(座席と吊革の数、だと思う)を比べると、長堀鶴見緑地線が1編成あたり380人なのに対して、中央線は約800人と2倍。満員状態で比べても2倍以上乗れそうだ。また、長堀鶴見緑地線は門真南駅から京橋駅まで5駅11分ほぼ誰も降りないのでストレスフルだが、中央線は弁天町駅、九条駅、阿波座駅、本町駅と1駅ごとに乗客が減っていく点も好評価だ。

 会場の座席数については両者互角か? なみはやドームの建物は大きいが奥のほうのスタンド席は使われない。対する大阪市中央体育館はスタンド席はフル稼働だし、ショートサイドも使える。
 なみはやドームに比べて小ぶりな建物であるからこそ、客席からの見え方は良好だ。ジャッジ席の反対側、スタンドS席12000円の端っこ(通路を挟んで隣はA席)であるHブロック18列辺りからの見え方はこんな感じ。

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 リンク中央付近の最上段の席が25列ぐらいなので、なみはやと比べるとリンクに近いのだと思う。
 ショートサイドのEブロック8列目(これもスタンドS席12000円)からの見え方は次のような感じ。

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 あと特筆すべきは座席の良さ。背もたれが高くまであるので結構楽。

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 座席の前後間隔は標準的(真駒内には到底かなわない)が、ショートサイドではなんだか狭く感じた(上の写真はロングサイド上段のもの)。

 その他の設備などについて。
 トイレは、HブロックとRブロックの後方にだけ男子トイレがあり、それ以外のトイレはすべて女性用にされていた。それぞれの入口に個室数を表示してあるのはとても気が利いていると思った(男子トイレ転用の場合は3、元々女性用なら12)。
 コインロッカーはチェックしていなかった。でも、最寄りの朝潮橋駅でも体育館でも見かけた記憶がない。あっても少ないでしょう。
 この体育館は掘り下げて作られて(海遊館に向かう時に地下鉄から見ていると古墳のように見える)いて、入口付近には屋根がある。天候が悪くてもある程度はカバーできそう。
 なお、会場は外よりも暖かく、膝掛けも手袋もニット帽も使わなかった。ただ、これはどうやらISUの方針によるものらしい。何年か前のベルンでの欧州選手権が寒すぎたことへの反省とか。そういわれると、宮城がやけに暖かかったことも納得だ。

 というわけで、大阪市中央体育館の観覧環境は素晴らしい。
 問題になるのは主催者にとっての都合だろう。会場の使用料は、大阪市中央体育館なみはやドームで一見大きな差はない。が、付帯設備などを考えると主催者側の負担は大阪市中央体育館のほうが大きそうだ。たとえばサブリンクとして大阪プールを借りている分が大きそうだ。
 また、大阪市中央体育館のメインアリーナにリンクを設置する費用も案外バカにならないのかもしれない。開催日に見かけた製氷機はISUやスポンサーのロゴマークが貼られた小型機(削るのが3台と氷を張るのが2台)だったが、それはつまり本大会用に臨時に用意されたものと思われる。普段は氷を張らない会場にリンクを作るのは割高なのかもしれない。
 ISU謹製の製氷機は妙にかっこよかったけど。

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【競技についての感想】
 自分のためのメモ。

・この大会はケヴィン・レイノルズの大会だった。
・欧州選手権ではハビエル・フェルナンデス、四大陸選手権ではケヴィンと、FPでクアドを3回跳べた2人(ケヴィンに至ってはSPでも2回)がゴールドメダルである。象徴的だ。
・まあ「みなさん今日は、来てくれた、見てくれた、ありがとうございました」というスピーチも特筆できるか。

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・中国期待の新星ハン・ヤンを見られたのは嬉しかった。SPもFPも冒頭に3アクセルを置いているが、スピードといい飛距離といい、絶品だった。
・彼はクアドも跳ぶのだけど、「名刺代わり」といえるのはトリプルアクセルだ。だからこそ冒頭に置いているのだろう。
・ステップの後で跳ぶ羽生の3アクセルのほうがスコアは稼いでいる。理屈ではわかるが全面的には同意しにくい。猛スピードで前のめりに突っ込むのがアクセルの醍醐味だという思いをぬぐえない。伊藤みどり世代だから?

・全米王者マックス・アーロンは、アメリカ待望のジャンパーなんだってことはわかった。実際、よかった。
・とはいえ「ジェレミー、何やってんだよ」という思いはぬぐえなかった。総合力で比べたら段違いなんじゃねえ、と。
・マックスは良いジャンパーだけど、良いスケーターとは思えなかった。FPのウェストサイドストーリーとか、あれで全米チャンプになれるなら日本の若者も自信を持っていいよな(…と思っていたのだけど、四大陸、ワールド、国別とドンドン良くなった)。

・カザフスタンの2番手、アブザル・ラクムハリエフは「アジアの佐々木」か? 現地組にだけわかる観客の反応が。
・SPは映画「スティング」の曲(The Entertainer)だったけど、動画の1:59あたりで「まだ転調しないのか。まさかこのまま最後まで?」と、かすかに場内の空気が揺れた。音にすれば「ドヨッ」ですらない、膜が波立った程度のものだけど。

・李子君はFPの後のキスクラで見せたダブルサムズアップでオッサンのハートを撃ち抜いた。あれは威力抜群。

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・この大画面で真正面だったので。

・でもこの大会で目立ったのはむしろ張可欣のほう。目立ったというのは違うか。私の目を引いた。
・SPでは浅田真央と鈴木明子に挟まれた最後から2番目の滑走順で、会場の雰囲気に飲まれないかと思ったら、いつものように不安そうな表情で演技は平然としていた(6位)。彼女の表情は読めない。
・FPはスピンが1つ飛んでしまって呆然と(ではないのだろうけど)スピンが終わるタイミングまで待っている様子が「いかにも」な感じ。スピン終わりの半回転をやって次に進むでもなく、棒立ちで時間を待っていた。
・女中奉公に行ってベテラン女中に「まったく気の利かない娘だよ」とかって言われるタイプだよな、彼女って。まあ外見的にそう見えるだけで、実は切れ者という設定なんだけど。
・抜けたスピンは、彼女独特の高速ドーナツスピン。せっかく間近にいたので是非見たかった。残念。

・グレーシー・ゴールドは、リアル「学園のアイドル」だった。スタンドの選手席で観戦しているときも、1人だけ光り輝いている。
・そういうオーラを制御できない若さ、ともいえる。キーラ・コルピとかだと、もうちょっと抑え目だよな。
・演技はまあ調整段階って感じだったけど。てか、全開なのはアジア勢だけだったのでは?

・アイスダンスは、ヴァーチュ=モイヤーのSDが絶品で、大満足。何も言うことはない。
・ただしFDは途中で中断してしまい、場内を不安に陥れた。それでも2位を確保したのはさすがなんだけど、釈然としない部分はある(彼らに対してではなく採点基準について)。要素要素の足し算だってのはわかるけど、会場の盛り上がりには完全に水を差していたし。
・優勝したデーヴィス=ホワイトはもちろん素晴らしかった。のだけど、私は相変わらずアクロバティックさはあんまり好みじゃない。

・ペアは欧州勢優位を実感させられる大会だったのかな。
・ハオ・ジャンの兄貴が若い子にものすごく気を使ってエスコートしている様が印象的だった。それでも相方は壁沿いで転倒してしまうのだけど(私の視界からはいきなり彼女が消えた)。
・サイモン・シュナピア193cmのスロージャンプ(のスローイング)はちょっと気になった。あの低空投げであそこまで飛ばすのはすごい。
・1、2フィニッシュのカナダ勢に触れないのは申し訳ないが。

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※日本勢については、いくら地元開催だからって主戦級を出すべき大会とは思えない。世界選手権で結果が出なければ、いくら四大陸で好成績であっても霞むよな、というのが感想。結果論で言っているのではなく。

※さ、積み残しを処分したことだし、新シーズンに目を向ける。1週間後には、私にとっての新シーズン幕開けであるFOIに行く。

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高スポ執筆者

  • 荒木又三郎
    高スポ創刊者にして主筆。ACミランを愛する後天性フランス人。高スポ編集雑記に本音をぶちまける。
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