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2013年11月30日 (土)

湘南の降格には触れない。さらばルーカス

 不可解なことの多いゲームだった。なんで後半に湘南があれほど押し込めたのか。試合序盤を見ていたら付け入る隙は見当たらないし、「失点は時間の問題」と感じられたというのに。
(2013年11月23日 FC東京2―1湘南ベルマーレ 味の素スタジアム)

 FC東京がキックオフから攻め込んでシュートまで持ち込んだこともあり、湘南は完全に押し込まれた。
 見たところ東京の狙いは湘南の左サイドで、3バック左の島村毅と左WB高山薫の間、もしくは島村の後ろのスペースめがけて長いボールを入れてきた。そこでボールを持たれてしまうので、完全に劣勢だった。
 そのうえ、機を見てサイドチェンジもするし、DFラインの前のいわゆるバイタルエリアにボールを入れられる。ペナルティエリア近辺にボールのある時間が多く、アップアップだった。
 当然5バックになるし、2ボランチもDFに近くなる。すると今度は東京の2ボランチ、長谷川アーリアジャスールや米本拓司のミドルシュートが潜在的な脅威になった(実際には撃てる場面はなかったのだけど、これは謎。彼らに撃たせようとする味方からのパスがなかった)。

 湘南がボールを奪っても、攻められない。両翼に展開しようにも東京の選手がぴったりマークについてパスコースを消される。1トップのウェリントンに当てるとしても(特に)森重真人が封じ込める(例によってウェリントンは競り合いでファウルを吹かれる)。出しどころに困ると米本辺りが強烈にプレスをかけてくる。
 私の見立てでは、「つなぐべきなのにクリアした」場面はなかったと思う。少なくともそう感じさせるほど圧倒されていた。序盤の30分間は。
 なんで30分で終わってしまったのか、その間に東京がゴールできなかったのか、不思議としか言いようがない。

 湘南は右サイドの攻撃から活路を開いた。右WB古林将太が東京の左SB太田宏介と並走しながらクロスを上げたことがきっかけだったのかもしれない。そのときには「ガリガリの個人技でしか打開できないのかなあ」と思ったのだが、いやいや、きっかけとしては実に有効だった。
 右サイドの深いエリアに人数をかけてショートパスをつなげるようになったのだが、もしかすると太田を狙い撃ちにしたのかもしれない。逆サイドの徳永悠平を攻めるのよりは難易度が低そうだし。

 後半はキックオフから湘南がイケイケになったのだが、特筆すべきは開始直後の高山薫のクロス。珍しく左へ、縦に持ち込んんで左脚でクロスを入れると逆サイドの古林が詰めた。この半年くらい私が待ち焦がれた左への攻めだった。
 66分の湘南の先制ゴールは右サイドで人数をかけたもの。3バック右の鎌田翔雅が攻め上がり、ボランチのハングギョンへのスルーパス。折り返したボールを2シャドウの位置に変わっていた高山が蹴り込んだ。湘南にとっては目指す形である。
 68分に即座に追いつかれたのだが、セットプレーからの流れで守備陣形が崩れていたシーンであり、これは今季何度か見られたパターン。
 88分の決勝ゴールに関しては、まあいいや。このゲームに勝てなければ降格が決定する湘南が前がかりになるのは当たり前で、後方の人数が少ない状態でカウンターというのはありがちだ。

 
 FC東京のルーカスが今季で現役引退するという。私からするともっぱら敵チームの選手なのだが、彼はとても印象的な選手だ。
 相性の問題なのか力量差の問題なのかは突き詰めないが、湘南戦でのルーカスは常に脅威だった。いや、「脅威」というのは少し違うな。
 彼のポストプレーは強さを感じさせるものではないのに、実に有効だ。ガンバ時代はそれを存分に見せてくれた(?)のだけど、今年のFC東京では途中で交代してしまうし、ポストプレーもあまりしなかった。ポポビッチはアホだな、と思っていたのだけどルーカスの年齢的な問題もあるのかもしれない。
 まあ確かにポストプレーのような肉体労働は平山にやらせるというのも考え方ではあるけれど、両者にはくっきりと差がある。ルーカスのエレガントなプレーに比べられては平山もいたたまれまい。
 何が言いたいかというと、敵ながらルーカスは惚れ惚れする選手だったということだ。このゲームでもそれは相変わらずで、彼の途中交代も引退も、私からすれば不可解だ。

 さて、湘南の降格が決まったのだが、それについては別途述べるつもりでいる。
 9月頃には降格が濃厚になっていたのだが、その後も焦燥感や悲壮感を感じさせず、勝点差にかかわらず同じ姿勢であり続けていた。捨て鉢でもなく、ニュートラルな挑戦者だった。このことはすごく評価したい。これで、残る2試合でいきなり落胆した試合ぶりを見せられたらガッカリするので、そうならないよう祈りたい気持ちもある。
 選手たちがそうであるのだから、私も「いつも通り」に家路についたのだが、そこでこの日最大のミステリーに遭遇した。

 小田急線狛江駅北口行の「直行バス」に乗ったのだが、国領駅を過ぎると停留所の案内を始め、ほぼすべての停留所に停まって乗客を降ろした。
 え、直行なんだよね? 「直行」の意味知ってる? と思ったのだが、私以外には疑問に感じているらしき人はいないようだ。ちょっとしたホラーだった。

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高スポ執筆者

  • 荒木又三郎
    高スポ創刊者にして主筆。ACミランを愛する後天性フランス人。高スポ編集雑記に本音をぶちまける。
  • 三鷹牛蔵
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