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2013年11月17日 (日)

鹿島がスイッチを入れる前に試合終了にしてくれれば

 後半アディショナルタイムに湘南が追いつき、その直後のプレーで鹿島が突き放す、という劇的なゲームであった。決勝ゴールを決めた大迫勇也や、決定的な仕事をした主審が注目を集めるのも当然ではあるが、ここでは湘南の布陣をメモしておく。
(2013年11日10日 湘南ベルマーレ1―2鹿島アントラーズ ShonanBMWスタジアム平塚)

 ハングギョン、ウェリントン、古林の3人が累積警告、大竹が負傷離脱、高山が体調不良、ということで大幅なメンバー変更を余儀なくされた湘南がどう来るのかが注目点だった。
 漠然と、1トップにはウェリントンの替わりにステボが入るのかと予想していたのだが、そもそもの考え方のスタートが私とはまったく違ったようだ。

 いつもの3-4-2-1ではなく4バックを採用し、4-2-3-1でスタート。4バックは右から鎌田翔雅-遠藤航-大野和成-亀川諒史の並び。岩尾憲と永木亮太の2ボランチに、2列目は菊池大介-梶川諒太-中川寛斗、1トップには大槻周平。
 いない選手の代役を当てはめるということではなく、いるメンバーでどう戦うかをイチから考えた結果だろう。大迫に対峙するためにCB2人が必要だから4バック、ということも確かにあるだろう。が、それ以上に、3-4-2-1でキーポイントになるウイングバックには古林か高山のどちらか1人は必要ということだと読み取った。
 そうすると問題になるのは攻撃だが、前4人の流動性でチャンスを作り出そうとしていた。1トップの大槻はサイドに流れ、空けたスペースを2列目の選手が使う。大槻がクロスを入れて中川が飛び込んだシーンなどは典型だろう。
 このやり方をするのであれば、ステボではなく機動力のある大槻をチョイスするのは妥当だ。私はステボを見たいのだけど。

 序盤は湘南がシュートチャンスをいくつか作り出したが、ここは注目して見たかった。チョウ監督になってから4バックの布陣はあまりうまくいったことがなかったので、布陣がよかったのか、奇襲的に効いていただけなのか、鹿島が様子を見ていたから一見効いているように見えただけなのか、見極めたかった。
 しかし34分に岩尾が2枚目のイエローカードで退場したため観察の時間は終わった。湘南の布陣は4-4-1に変わり、この応急措置で凌ぎたかったが37分に直接FKのクイックリスタートで小笠原が直接ゴールを決める。前半はこのまま湘南にとってジリ貧の状態で終わった。

 後半になると湘南は3バックに変更。左WBの位置に亀川、右WBの位置に菊池を置いて、永木を1ボランチに。3-3-2-1っぽい形に見えた。無謀といえば無謀だが、前からプレスをかける方向にシフトした。4バックのままでは活路が見いだせなかったので致し方ない。
 64分に梶川→島村毅の交替で3-4-1-1に変更。3バックは鎌田-大野-島村。遠藤を前に上げて永木と2ボランチとし、菊池&亀川が前に出られるようにした。この布陣変更は当たりだった。鹿島の2ボランチに対して圧力をかけられるようになり、そこで奪ってショートカウンターという場面を作り出せるようになった。

 1人少ないことを感じさせない運動量で劣勢を覆したところで、69分には大槻に替えてステボを投入。さらに77分には中川に替えて古橋達弥を投入して彼ら2人が2トップとなった。したがって湘南の最終的な布陣は3-4-2。
 終盤において特筆すべきはステボの空中戦無双。後方からのロングボールにはほとんど競り勝っていた印象だ。時間が経つに従ってますます気合が入り、アディショナルタイムには完勝だった。
 91分の遠藤航の同点ゴールはラッキーもあったが、押せ押せだったことからすれば正当な対価といえる。

 で、キックオフからそのまま持ち込んで大迫の勝ち越しゴールになる。鹿島の選手たちが反発力を見せたのだし、大迫は落ち着いていてナイスシュートだった。しかし私は湘南の選手の脚にきていたことに目が行った。最後に大迫と対峙した大野は切り返しに対して足が出せなかった。失点後のプレーでボールをキープできなかった菊池も脚を攣っていた。
 試合中は忘れていたけど1人少ないんだった。大野なんて、それまで前線と最終ラインで走り回っていたのだった。追いついたことでかえって疲労感が表に出たように見える。そういう意味では、やはり湘南の選手たちはよくやっていたと思う。追いついただけでも立派だ。

 なので、追いついたところで鹿島の選手がスイッチを切り替える間を与えずに試合終了になってしまえば良かった。

 ちなみに3年前のホーム鹿島戦のドローゲームは、正真正銘のラストプレーの阿部ちゃんゴールで追いつき、そのまま試合終了だった。で、そのときに私は「『目覚めた鹿島』を相手にして勝ち切る姿が見たかったんだよね」とうそぶいていたのだが、もしかして3年越しで報いを受けたのか? いや、あのときと今では置かれている状況が違うので勘弁してほしかった。。。。

●主審について
 スコアレスな開始15分の時点で遅延行為のイエローカードが出たことについては、私はそれほど問題視していない。もちろん「なんだかなー」とは思ったし、「とんだもらい事故だぜ」とも思ったけど、結局のところ「審判の目にどう映ったか」なので諦めも肝心だ。
 しかし、34分の岩尾の2枚目のイエローカードは大問題だ。カウンター気味に抜け出しかけた大迫に対して岩尾が手をかけて倒したのでファウルを吹かれることは妥当だ。問題なのは、そこでアドバンテージをとったこと。岩尾が退場につながるファウルを犯したのであれば、アドバンテージをとってはならない。アドバンテージをとったということは「退場にはならない」ことの表れであり、プレーが止まってからイエローカードを出して退場に追い込んだことは、直前に行った自身の判定を自ら否定する行為だ。
 こういう手続の瑕疵は言い訳がきかない。判定如何は「私にはこう見えた」と強弁することができるけれど、自身の判定と処置が食い違うのは言い訳の余地がない。いつか反町監督が珍しく強硬に抗議した「ピッチ外から勝手に入った選手にやり直しさせた審判=やり直しをさせるってことは勝手に外に出たことを認識しているのでイエローカードを提示すべき」を思い出した。
 …とかって私は競技規則をひっくり返して再確認しながらあれこれ書いたし、チョウ監督も会見で熱弁をふるっていたのだが、そういった反響をよそに、かの前田主審は今日のJ2で笛を吹いていた。表面的には無反省ってことですよ。脱力するわ。

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  • 荒木又三郎
    高スポ創刊者にして主筆。ACミランを愛する後天性フランス人。高スポ編集雑記に本音をぶちまける。
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