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2014年4月12日 (土)

湘南はミラーゲームを完全制覇して6連勝

 3-4-2-1のフォーメーションどうしの「ミラーゲーム」はこれで長崎、松本、岡山と完勝続きだ。湘南は、昇格した2012年にはミラーゲームを苦手としていたのだが、様相が全く異なる。
(2014年4日5日 湘南ベルマーレ2―0ファジアーノ岡山 ShonanBMWスタジアム平塚)

 今季のJ2で湘南に対して「ミラーゲーム」になるのは主にこの3チームだ。3バックのチームはほかにもあるが、コンセプトを見るとミラーっぽくはない。磐田あたりが「あえて」仕掛けてくる可能性はあるが。
 その3ゲームに完勝である。表面的には「個々の局面での優位」に理由が求められるのだが、3チームとも万全の態勢でなかったことも見逃せない。
 長崎は開幕2試合目にしてDFリーダー山口貴弘を欠き、松本は今季の目玉・サビアが負傷欠場、岡山は鎌田翔雅を欠いたうえに植田龍仁朗が数日前に負傷したらしい。
 山口や鎌田をレンタルして契約の縛りを設定しておいた湘南の作戦が効いた格好だ。埋伏の毒とまでは言わないが。

 この日の岡山は鎌田と植田を欠いたことで大きく布陣を変えざるをえなかった。GKの中林洋次はいいとして、DFラインは右から近藤徹志-竹田忠嗣-田所諒。2ボランチは不動の千明聖典と島田譲のコンビ。右WBに今季初先発の久木田紳吾、左WBは移籍後初出場の染矢一樹。FC東京から期限付移籍の林容平をトップに置いて、2シャドウは押谷祐樹と石原崇兆。DFラインを変更し、両WBは初起用である。
 空中戦要員の植田に替えて、WB起用も噂された田所がDFラインに入ったのだが、やはり空中戦で劣勢になった。ただでさえ湘南の1トップ・ウェリントンが強烈なのに、植田を欠いてはそれは苦しい。両WBはともに攻撃面で特長のある選手だと思うのだが、湘南のWBに押し込まれた。

 岡山は、水戸でのアウェイゲームでドン引きカウンター戦術を敢行したということだったが、このゲームでは意図的に引いたようには見えなかった。単に湘南が押し込んでいるように見えただけで。
 選手交代と布陣変更で打開しようとしたようなのだが、私にはその効果は見えなかった。岡山に多少なりとも流れが行ったのは、林にハイボールを入れることを諦めてグラウンダー中心に変えた時間帯だ。ヘッドの競り合いでは勝てなかった林だが、ボールを脚で扱うときには上手い捌きを見せたので可能性が見えた。

 岡山の不本意な布陣は湘南にとっては追い風になった。湘南左WB菊池大介はこの日もキレキレだったのだが、マッチアップの相手が鎌田であればあそこまでは出来なかったのではないか。88分に50メートル以上を猛ダッシュしてゴール前に走り込んだ2点目のナイスゴールも、鎌田であれば併走していたかもしれない。
 湘南は右WBの藤田征也もマッチアップ相手の染矢を圧倒していた、と思う。前半はそれでもまだ染矢は辛抱していたのだが、後半になって近くで見ていたら圧倒的だった。チンチンにしていたという表現でよいと思う。63分に染矢が退いたのは、先制されたから前線の構成を変えようとしただけでなく、岡山は左サイドに手を打つ必要があったからだ(DF左も不慣れな田所だったのだし)。

 それにしても移籍後初先発の藤田は見事なプレーだった。ジョーカーとして効果的なのはすでに証明していたが、先発しても素晴らしかった。湘南の先制点はCKからだが、そのCKを奪う前のシーンは藤田の良さが現れていた。岡山が左サイドに開いた染矢に入れようとしたパスを藤田がスライディング気味にインターセプトし、そのまま立ち上がって前方に走り、ライン際でボールを受けてドリブルで攻め上がってクロスを入れたのだ。地味ながら素晴らしいプレーだった。
 もう1つ、藤田のプレーで私が気に入ったのは、70分頃、岡山のCKをいったん跳ね返した場面。キッカー寄りのゴールポスト脇に立っていた藤田が1人だけ走り出して自陣左下のエリアを埋めに行ったプレー。当たり前のプレーなのだろうけど、岡山の選手も含めて全員がジョグだったので目立った。

 移籍後初先発ということでいえば、岡田翔平は面白かった。基本的にはウェリントンの下の2シャドウの一角なのだが、しばしば1トップの位置に入った。プレーの流れで入ったという以上の意図を感じた。なんとなく、シャドウよりもトップのほうが向いているように見えた。岡田は169cmと大きくはないが、スピードだけでなく馬力を生かすプレースタイルなのかなと思った。あまり例が浮かばないのだけど、田原が加入する前に予想されていた原竜太1トップはこんな感じになっていたのかね。

 その岡田に先発の座を奪われた大槻は空回りだった。イエローカードをもらった場面といい、遅延行為まがいのチョン蹴りといい、要らない挙動だった。
 湘南の選手はほぼ全員が落ち着きをもってプレーしていたのだが、大槻だけは危機感を前面に出していた。全員が変に受けに回るよりは、ガツガツする選手が混じっているのも良いと思うのだけど、チームの中で温度差が出たら問題だ。もしもこのままチームが独走状態になれば、そういうところが課題になるのかもしれない。

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高スポ執筆者

  • 荒木又三郎
    高スポ創刊者にして主筆。ACミランを愛する後天性フランス人。高スポ編集雑記に本音をぶちまける。
  • 三鷹牛蔵
    高スポの陰の支配者。湘南ベルマーレを愛する先天性ジャパニーズ。

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