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2017年8月 5日 (土)

大一番で表原玄太のМОМに納得

 1位と3位の直接対戦というより、アウェイで内容的に圧倒された相手との再戦という、湘南にとっては真価を問われるゲームだった。ここで内容の伴う勝利を収めたのであり、ある意味では今季のベストゲーム。
(2017年7月29日 湘南ベルマーレ2-0徳島ヴォルティス ShonanBMWスタジアム平塚)

 
 この日の湘南は、徳島のアンカー岩尾憲へのケアが特徴的だった。
 基本形としては、1トップのジネイが岩尾に接近して彼にボールが入らないようにしていた。DAZNのJ2レビューで下村東美が取り上げたシーンがまさにこれで、東美さんは「徳島はCB2人を残して8人が攻撃的なポジションをとっている」といったコメントから湘南のカウンターに焦点を当てていたが、むしろ赤丸内の岩尾とジネイの位置関係が特徴的だ。
 ジネイは岩尾の位置を常に気にしながら、パスコースを消す位置取りをしていた。ちょくちょく振り返って位置を確認していたので間違いないだろう。

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 この日の湘南を「アグレッシブなプレス」と評する向きは多い。総論としてはその通りなのだけど、細かく見ればちょっと違う。特に、徳島の2CBに対してプレッシングに行かず、彼ら2人がボールを持つことを容認していたところ。
 前半に1度だけCBへのプレッシングに行ったところを躱されて岩尾にパスを通されて、そこから覿面にピンチになった。これを見ると、岩尾にボールを通さないというジネイの位置取りは正しいのだろう。
 ただし、ジネイは岩尾をマンマークしていたわけではなく、ボールの位置に合わせてポジションを変えていた。で、それをカバーしていたのが主に表原だった。
 この日の湘南の3トップは意図してかは不明だが、右寄りだった。だからジネイも右前方に出ていくシーンが多かったのだが、それで岩尾が離れたとしてもジネイは岩尾に引きずられはしなかった。その代わりに2シャドウ左の表原玄太が睨みを利かせていた。ベッタリと付くわけではないが、岩尾にボールが入るとすかさず距離を詰めていた。
 
 この日の湘南は、ジネイの1トップはいつも通りだが、2シャドウに表原と齊藤未月を起用した。未月の起用はプレッシングを強める意図が伺えるが、その相棒に表原を起用したのはやや意外だった。シーズン当初の表原は、得意のドリブルを生かしたジョーカーとしての役割は任せられるが、守備についてはボチボチレベルだったので。
 しかし、この2シャドウで先制ゴールを奪うのだから面白い。
 前半がほぼ完璧なゲームだった(カードトラブルはあったが)ものの、それは2シャドウに守備面での負荷をかけた効果なので、ゴールするためには選手交代のタイミングと人選がカギになるだろうと思っていた。だから48分に表原のクロスを未月がヘディングで落とし、ジネイがボレーシュートを押し込んだのは出来過ぎという感じもある。
 
 表原本人は、今季いまだノーゴール(於リーグ戦)であるからスッキリはしていないのだろうが、しかし、この日のように守備タスクをこなした上で特長であるドリブルをすることができるのなら、出場機会は増えるだろう。
 そういう、事前の期待値を上回るパフォーマンスであったことは関係なく、このゲームのМОМに選ばれるのは納得だ。私にはよくわからなかったが、表原は徳島のもう一人のキーマンである右SB馬渡和彰を牽制する役割も果たしていたのだろうし。
 
 ところで、徳島サイドを見ると、思いのほか対応が遅かった印象だ。
 岩尾封じは前半のうちからわかっていたのだろうから、ハーフタイムに修正してくるのかと思ったが、それはよくわからなかった。もちろん早々に湘南が先制したのでぼやけている面もあるのだろうが。
 2点目が入った後でカルリーニョスを投入したことで岩尾を経由しない配球路を作り出したが手遅れだった。
 
 後半開始からリカルド・ロドリゲス監督は、ゲン担ぎのベンチコートを着用していたが、それを裏付けるような対応が確認できなかった。この日の敗戦で、今後はゲン担ぎはやめるのかもしれないが、それがいいよ。
 まあ、この日は意外と涼しくて、湘南のプレスが止まりそうになかったから、自ら人身御供となって蒸し暑さを求めていたのだろうか。
 
【スタッツを確認】
 ふと思って、試合後にダゾーンが出している徳島のパス本数、成功率、パスの多い選手を見直してみた。
22節 名古屋戦460(78%)岩尾69 馬渡45 島屋44 山崎38 
23節 京都戦 456(76%)岩尾72 大崎玲央60 杉本51 馬渡46 藤原43 井筒41 
24節 福岡戦 532(83%)岩尾93 大崎玲央59 馬渡56 杉本53 ヴァシリェヴィッチ51 前川45 井筒42 島屋37
25節 湘南戦 522(77%)岩尾72 大崎玲央58 杉本56 藤原52 井筒32 島屋32 
 
 福岡はベタ引きでカウンターを狙っていたので徳島のパス数が多く成功率も高いのは当然なのだが、湘南戦での数字は案外なものだ。
 パスの総数も、岩尾のパス数も、他のゲームに比べて大して減っていない。もちろん、岩尾が最終ラインに下がったときは無理なプレスをしなかったし、カルリーニョス投入後は左サイドに出て行ってパス数を増やしていたが、ここまでの数字になっているとは思わなかった。
 それよりも、スタッツを見る限り、馬渡封じのほうが顕著な成果を上げている。これって、馬渡vs杉岡の単純な力関係だと思うけど。。。。
 
 あらら。私の見ていた岩尾封じ説は説得力がないのかな(自信は失っていない)。

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高スポ執筆者

  • 荒木又三郎
    高スポ創刊者にして主筆。ACミランを愛する後天性フランス人。高スポ編集雑記に本音をぶちまける。
  • 三鷹牛蔵
    高スポの陰の支配者。湘南ベルマーレを愛する先天性ジャパニーズ。

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