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2018年3月21日 (水)

FC東京に完敗でJ1だなあと思った

 若い選手を起用するタイミングについてチョウ監督は「たとえミスしても本人が引きずらない時」とかって言っていたが、なるほど、高卒ルーキー新井光のリーグ戦初出場にはもってこいだった。チームとして良い所が全然なかったから。
(2018年3月18日 FC東京1-0湘南ベルマーレ 味の素スタジアム)

Img_20180318_135047

 

……と、帰路にツイートしたのだが、ちょっと逆上していた。さすがにそこまで酷くはなかった。
 まあ失点後はシュートもなく酷いことは酷かったのだけど、2点目を許さず、パワープレーの時間まで持ち応えたのは、それはそれで評価できる。2017年に身につけた粘り強さだと思う。秋元のナイスセーブがあったにせよ。

 現象としては、後半になってボールを前に運べなくなったというのが問題だった。
 その最大の理由は、1トップのイ・ジョンヒョプに当てるロングボールが減り、裏を狙う選手もいなかったことだろう。FC東京からすれば、最終ラインをガンガン上げて前線からのプレッシングをガンガン仕掛けられる状態だった。
 ジョンヒョプは、チャン・ヒョンス&森重真人のCBコンビに対してほぼ完敗だった。序盤に不可解なイエローカードをもらったことも影響したのだろうが、最前線の的としては機能していなかった。
 もちろん競り勝てれば最善だが、勝てないとしてもロングボールは必要だったろう。最終ラインからのビルドアップに偏って、それがうまくいかなかったのだから。負けても負けてもターゲットになり続けていた大槻は偉大だった?

 この日の湘南は石川俊輝が先発を外れて梅崎司が移籍後初先発。菊地俊介をボランチに下げるのかと思ったがそうではなく、秋野央樹をアンカーにした3-3-3-1っぽい布陣だった(守備時は5-1-3-1)。
 2列目の人数を増やした以上は圧力を増してゴールに迫らねばならない。前半はその狙いを表現できていたが、シュートまでは持ち込めない。秋野のロングシュートと梅崎の直接FKだけだったのだから、「表現できた」という言い回しも本当は適当ではないのだろう。
 一方で、アンカーの脇が空くのでそこが守備の焦点になる。ディエゴ・オリベイラのゴールは見事だったけれど、あの位置でシュートを撃たせてしまったのは構造上の問題でもある(秋野に2倍速の超人モードがあれば防げただろうが)。
 その2点は収支勘定という考え方もあるのだろうけど、「前プレからのトランジション・ゲーム」という方針は2017年には薄くなっていたので、このゲームには違和感を覚える。試合開始からスクランブルですか? と言い換えてもよい。

 でもまあ、FC東京はあれこれ言われているが、やっぱり地力があるんだなと感じた。富樫や東の運動量は目立っていたし、ここ一番で上がってくる高萩のタイミングは絶妙で脅威だった。もちろん、2CB+GK林の安定感が前提にあるのだが。
 ディエゴ・オリベイラは柏時代にはアンドレ・バイアに完敗という印象だったのだけど、それは柏時代に求められていた役割がバイアとの真っ向勝負だったという事情もあるのだろう。FC東京ではエースとしてプレーの選択権を与えられたみたいで、良い選手なんだなと思った。
 それより何より、彼我のボールを奪った直後のファーストパスのクォリティに差があって、ああJ1だなと思った。

 なお、冒頭に書いた新井光くんのプレーは、まあ悪くはなかった。積極的に仕掛けていたし、ボールロストの直後に奪い返しにいくのも好感できる。起用に値する選手だというのはわかった。

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高スポ執筆者

  • 荒木又三郎
    高スポ創刊者にして主筆。ACミランを愛する後天性フランス人。高スポ編集雑記に本音をぶちまける。
  • 三鷹牛蔵
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