ホーム&アウェイで仙台に競り勝った件
ホーム&アウェイでトーナメントを勝ち上がるのは楽しい。敗退するとしても、普段経験できないレギュレーションなので、きっとそれなりに楽しい。ただし、両チームとも戦い方が未熟な印象だった。
(2018年6月9日 2018YBCルヴァンカップ プレーオフステージ第2戦 ベガルタ仙台3-1湘南ベルマーレ ユアテックスタジアム仙台)
エモーショナルなゲームだった。
アウェイで0-3で敗れた仙台は少なくとも3点が必要なので、アグレッシブに攻めに来た。そして前半に2点をリードし、あと1点で追いつくという状況を作った。しかし69分に野田隆之介が値千金のゴールを決めて湘南にアウェイゴールをもたらして、仙台にはあと3点が必要となった。
試合開始から仙台の圧力は凄かったし、野田のゴールが決まった瞬間の彼我のコントラストは鮮やかだったし、その後の仙台イレブンの、気を取り直しての猛攻にも心意気を感じた。どれも見応えのあるものだった。
ただ、試合運びという意味では未熟な印象だった。
仙台が3点ビハインドを追うために攻勢に出るのは自明のことだったし、先発メンバーが発表された時点で、3-1-3-3もしくは3-1-2-4のような前がかりでくることも容易に想像できた。
湘南がそれにうまく対応していたとは到底いえない。1点目はセットプレーだったけど、あそこで失点しなければ耐えられたというイメージはない。「守ってカウンターで1点取ればそれでいいんだろ?」というふてぶてしさはなかった。
大野和成の負傷でアンドレ・バイアを投入したことで少しそういう雰囲気が出たけど、それはバイアの属性に由来するものだと思うので、残念は印象は変わらない。
良くも悪くも「0-0のつもり」でゲームに入ったのだろうと思う。いつもと同じようにゲームに臨んだというのを教育的な観点で捉えてもよいけど、子供っぽいかなと思う。
対する仙台だって、未熟な印象というのは大同小異。
このセカンドレグはやることが明確だったから別に問題はなかったけど、ファーストレグはナイーブな印象だった。
1点目はそのときもセットプレーだったが、1点ビハインドになって「最悪、このままホームに帰ってもよい」と考えることはなく、あくまでもゴールしようとしていた。
普段のリーグ戦ならそれでよいのだけど、「180分で1試合」という観点は欠けていたように見えた。2点目を失ってからは「これ以上の失点を避けるのが最優先」だったのだと思うけど、アンカーの富田を外してFWのジャーメイン良を投入した采配には疑問を感じた。
それで「案の定3点目を失った」とは言わないけど。その時間帯の湘南も謎に奔放で疑問だったし(2点リードしてアウェイゴールだけを避けたい試合終盤に3CBのうちの2人が相手ゴール前に進出するのを「湘南らしい」というのはちょっと違うだろ、と思った)。
というわけで、両チームともにホーム&アウェイのトーナメント戦には対応できていなかったのだけど、まあそういう経験は少ない(湘南についてはアジアカップウィナーズカップ1995以来の経験なのかな?)から無理もないのかもしれない。
一方で、その希少さ、不慣れさが楽しさの遠因でもあったのだろう。両チームが手馴れて塩試合をするのがよいことなのか、そこは迷う。
【最近のハーフタイム明け】
ピッチに戻る選手たちがコーンを使ってステップを踏んでいますよね。
埼スタでレッズがやっていたのを見て取り入れたのだと思っているけど、どうなんでしょうね。
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