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2018年8月 8日 (水)

『海賊をプロデュース』を読んだ

 Bリーグの横浜ビー・コルセアーズについて、ビジネス面を概観する一冊。現経営陣はちゃんとしているんだな、と思った(もちろんそういう本であるのだけど)。

 

 そういう本、というのは提灯という意味だ。

 横浜ビー・コルセアーズというチーム名は一般公募によって決められた。といっても、最初からこの長いチーム名を応募してきた人がいたわけではない。

 453通の応募の中にあった言葉をアルファベットで表記し、その頭文字を書き出していった。その結果、候補として残った頭文字が7つあった。A、B、C、I、O、R、S。
 これらのアルファベットを並べ替え、Sを2回使用することことで、「B-CORSAIRS」とした。英語の「CORSAIRS」というのは「海賊達」とか「海賊船団」を意味する。そこにホームタウンである横浜市の名前を冠して、横浜ビー・コルセアーズというチーム名が生まれた。

 ファンの公募をもとにした以上、「海賊」というコンセプトが生まれたのは必然だったのかもしれない。

 こんな文章を書いていて提灯じゃないとは言わせない。
 応募した人は自分の案が頭文字だけ使われるとは思っていなかっただろうし、そのうえ「候補としてアルファベットを7つ残した」「Sを2回使用」とかいう恣意が介在している。そんなブラックボックスを通して出来上がったチーム名に対して「必然だったかもしれない」とか、すごい飛躍。
 まあ、「かもしれない」という部分に本心を潜ませているのかもしれないが。

 私は当初から一貫して、横浜のチームが海賊を名乗るとかバカじゃないの?社会性がないの? と否定的だったのだけど、これは創業期の経営陣のやったこと。
 2シーズン目にリーグ優勝を果たしつつ経営は行き詰まり、3年目から現経営陣に引き継がれた(株式も移動した)。本書は、この現経営陣がやってきたことを書いている。

 経営陣が入れ替わる時がチーム名を変える千載一遇のチャンスだろうと思っていたので、それが行われなかったことに失望したのだけど、この本を読んで、それは仕方なかったのだと理解した。

「当時のうちのチームには欠点が多過ぎて、欠点を直して、まっとうな位置に引き上げようとしても、なかなか難しいだろうなと感じました」
「2つのポイント以外は『全て切り捨てたと言っても過言ではない』と岡本は振り返る。
 そこで柱に据えたのが『海賊』をコンセプトにするチームが『横浜』に存在する、ということだった。」

 ここまで言われたら仕方ない。要するに、チーム名だけを残してほかはすべて刷新した、ということなので。
 実際のところ、既存のファンは数少ない拠り所だったみたいなので、そこをつなぎ留めるためにはチーム名ぐらいは残す必要があったのだろう。コーチも選手も大幅に入れ替えざるをえなかったのだし。

 現経営陣については、チームの勝敗に左右されない運営をめざすのは圧倒的に正しいし、その一方で単純に経費を絞るだけでなく、目玉となる選手(川村のこと)を獲得するなど、ツボを押さえているし好感を持てる。
 私にとってはネックになるのはチーム名だけなのだが、これも将来的には変更される可能性はありそうだと、行間を読んだ。
 この本では「チームを引き継いだ緊急時から現在まで」が語られていて、その施策は「緊急事態に対応した急場しのぎの最善策」に見える。
 実際、彼らが「海賊とは」といって語っているものをよく読むと「それ別に海賊じゃなくてもよくね?」と思われるので、もしかすると布石なのかもしれない(考えすぎかもしれない)。

 ということで、私のほうの準備は出来ているので、早くチーム名を変えてくれないかなあ、と思う。

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高スポ執筆者

  • 荒木又三郎
    高スポ創刊者にして主筆。ACミランを愛する後天性フランス人。高スポ編集雑記に本音をぶちまける。
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