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2018年8月29日 (水)

偽4-1-4-1システムはFC東京対策の奇襲

 湘南の初期布陣は間違いなく4-1-4-1だった。しかしそれはアンカーシステムではなく、3CHであることに意味があり、FC東京をスカウンティングしたうえでの奇襲だった。
(2018年8月26日 湘南ベルマーレ0-0FC東京 ShonanBMWスタジアム平塚)

 

 4-1-4-1として湘南の選手配置を述べると、GK秋元陽太に、4バックは右から岡本拓也、山根視来、坂圭祐、石原広教。アンカーに石川俊輝、2CHは齊藤未月と松田天馬。右SHに小川慶治郎、左SHに梅崎司、1トップが山﨑凌吾となる。
 便宜的にアンカーと書いたが、石川のプレーはアンカーのそれではなくCHのそれだった。石川、未月、天馬の3人はFC東京の中央3人(高萩洋次郎、米本拓司、東慶悟)に対して、半ばマンツーマンで応対していた。
 たとえば石川が東に付いたとき、東がタッチライン際まで流れていってもそのまま付いていく。ボールが離れたところで東を放してポジションに戻る。石川が、いわゆるバイタルエリアを空けたとしても他の2人のCHがそこを埋めに来ているようには見えなかった。2人は自分のマークマンを見ていた。

 FC東京は4-2-3-1だった。2CBの間を広げてその間に中盤の選手(主に高萩かな)が降りて行き、両SBを高い位置に送り出す。
 湘南のCHのうちの1人は、そのCB間に降りて行くボランチに付いて行く。普段であれば2シャドウがプレスに行くエリアである。

 つまり、湘南の布陣をその意図から説明すると、両ウイングが低い位置に引いた4-3-3である。
 湘南は、FC東京の中央の3人を自由にさせないことを最優先にしていた。普段の3-4-2-1では両サイドにはWBが1人ずつで、サイドから攻撃された場合にはボランチの1人が救援に向かうのだが、この日はそれをせず(1枚減ったCBももちろん行かない)、ウイングを低い位置に置いてサイド攻撃への対策としていた。
 そのうえ、ボールサイドにはチーム全体が極端なほどスライドしていた。特に左へのスライド幅は大きく、右SHと右SBの2人はピッチ中央付近まで移動していた。
 もちろんアンバランスな面があるのは明らかであり、これで大丈夫なんだろうかと思ったが、意外と大丈夫だった(危険なシュートを撃たれたが、それはミス絡みだったので)。

 たぶんスカウティングで、FC東京の両CBは上がってこない、ロングボールを使ったサイドチェンジはない、という判断があったのだと思われる。
 まあ、過大評価かもしれないけど。FC東京のCBが上がってくることに備えてSHを内に絞らせていたのかもしれないし、サイドチェンジされたら小川や梅崎が頑張るというプランだった可能性もある。

 この偽4-1-4-1システムは、前半終了であっさり放棄された。後半開始から小川に替えてアンドレ・バイアを投入し、いつもの3-4-2-1に戻した。
 監督コメントで試合前からの計画だと明らかにしているように、1試合を通して偽4-1-4-1をするつもりはなかったのだろう。要するに、手の内を読まれるまで相手を混乱させることを狙った奇襲なのだ。
 まあ、奇襲だと考えないと筋が通らない。的確に指示をされたらあっさり攻略されそうだったもの。3CHを引き連れて中央を空けて、そこに別の選手が飛び込むとか、いろいろやり方はありそうだ。これをハーフタイムまで引っ張れたというだけで成功といえるだろう。

 相手に合わせて戦い方をカスタマイズするというのは、もちろんいつでも行っているのだろうけど、これほど極端なやり方をするというのはチョウ監督にしては珍しい。
 こういうゲームをすると、他のチームに対する牽制にもなるかな?

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高スポ執筆者

  • 荒木又三郎
    高スポ創刊者にして主筆。ACミランを愛する後天性フランス人。高スポ編集雑記に本音をぶちまける。
  • 三鷹牛蔵
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