物好きたちには桜吹雪を見る資格があった
試合終盤に勢いを増した暴風雨に「もう面白ゴールでもいいから!」と念じていたら谷晃生のパンチングがあらぬ方向に飛んでヒヤッとしたので「すいませんでした」と思った。その意味ではスコアレスドローは穏当な結果である。が、本心ではそうは思っていない。湘南が勝つべきだった。
(2021年3月21日 湘南ベルマーレ0-0セレッソ大阪 レモンガススタジアム平塚)
クルピはターンオーバーをしないので、この日もセレッソの2トップは大久保と豊川だ。都倉もブルーノ・メンデスも鈴木孝司もいないので、湘南は待ってましたと舘・石原・田中の低身長3バックが今季初出陣だった。
この3人の3バックは高さや強さがウィークだが、その懸念がない時は力を発揮する。最後方でのボール回しが安定して相手の布陣を崩した状態で攻撃を始められる。
湘南はアンカーの三幸秀稔とIHコンビの山田直輝&名古新太郎というテクニカルな中盤も機能していた。
特に名古の出来が出色だったと思う。試合終盤まで溌溂としていたということもあるが、守備面でも役割を与えられていた印象で、そこがこれまでとは違うと感じた。
両WBもいつものようにプレーし、2トップもまあ個性を出していた。
要するに湘南には不可な部分はなかったわけで、無ターンオーバー連戦の最後に暴風雨に晒されてテンションの上がりにくかったであろう、そして原川と坂元の代表活動に支障を来したような状態のセレッソに対しては勝ってしかるべきだった。
ちょっと後出しで強気すぎるのかもしれないが、試合が終わったらマスクがびしょ濡れで水が滴るようなバカみたいな暴風雨の中で屋根なしスタジアムで観戦していた3500人の物好きを代表して言うと(アウェイ客はいないことになっている!)、湘南が勝つべきゲームだった。
もうこれは一点の曇りもない。新設スタジアムでアウェイ席だけ屋根がない設計にしちまうようなところは負けるべき日だった(論理の飛躍)。
【ルール変更の最前線にいたくない】
このゲームで唯一ゴールネットを揺らしたシーンは、
「偶発的にボールが攻撃側競技者の腕や手に当たった場合、当たった「直後」に得点、また、その競技者やチームが決定的な得点をする機会を得た場合のみ罰せられる」
が適用されてノーゴールだった。ヤーマンのハンドリングで無得点になるのは開幕の鳥栖戦に続いて2回目。勝点にして3を失ったと言いたくなる。
このルールって、2021-2022シーズンではなくなるんでしょ? たった1年間しか存在しないルールの影響をもろに受けるのって、湘南さんらしい。史上最後のベストメンバー既定の罰金クラブらしいけど、そういうの、ごめんこうむりたい。
【試合後は速やかな撤収】
ドローということもあるが、いつになく撤収が早かった(物好きな)湘南サポの皆さん。まあ無理もない。
« VARのゲームは腹立たしい。前評判通りだが | トップページ | 福森晃斗の「偽サイドバック」は過渡期の試行? »
コメント