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2023年12月19日 (火)

湘南ベルマーレの2023シーズンについての雑感

 個々のゲームについて書くことをしなくなっていたが、主にホームゲームには行っていた。で、総括と言うほどではないが雑感を書き記しておく。

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●目標未達
 クラブ公式の「目標5位」を必達目標とは思っていなかったので、それが達成されなかったことを非難しようとは思っていない。必達目標は恐らくJ1残留なのだが、それをオープンにするのは「そういう格」であることを内外に宣言することなのでふさわしくない。客観的な評価はともかく、主観的に言えば「もはやそういう段階じゃない」と言いたいのだから(クラブも、サポーターも)。
 だから「めざすべき目標」として5位を掲げるのは理解はできるのだが、その目標達成に向けたKPI(重要業績評価指標)があったのかは気になる。攻撃回数とか、PA侵入回数とか、その手の数字を目安にしているのだろうか?
 なお、「めざすべき目標」が5位であるというのは意外と深いのかもしれない。4位だとACL出場の可能性が出てくるので経営面・施設面での目標達成も必要になってくる。その辺りを気にせず現場(強化部)だけで達成できる最上位の目標が5位という考え方もできる(こじつけっぽいが)。
 ちなみに私は賞金(競技順位に基づく理念強化配分金)獲得圏である9位を目標にすべきというスタンスです。フロント(営業部)の目標も人気順位で理念強化配分金獲得圏の9位にすべき(かなり遠いらしいが)。
 
●山口監督の評価
 一定の評価をされるべきですね。リーグ戦15試合勝利なし(5分10敗)の状態から立て直せるのは手腕であることは間違いないです。16試合ぶりに勝ってからの残り13試合で6勝3分4敗(勝点21。1試合平均1.62)、9月以降の9試合では5勝2分2敗(勝点17。1試合平均1.89)であった。
 立て直しの理由の筆頭には補強が挙げられて、キム・ミンテの加入は大きかった。的確な補強があってもチームにフィットさせられない場合もあるので、その意味で監督のプラス評価につながるだろう。
 一方で、そもそもあれほど勝てない状態になったことは、監督のマイナス評価の材料ではあるのだけど。
 2シーズン見てきた印象としては、シーズン当初の構想が「大風呂敷」気味なのかなと思う。終盤にあのくらい仕上げられるということは、最適解を見出す能力はあると思うけど(微妙に留保付き)、最初から「出来ることをする」というのでは志が低いと思っているのだろう。なので、壮大なグランドデザインを仕込もうとする。が、選手達は消化しきれなかったり、粗く実現することになっているのではないか。そのグランドデザインの妥当性はよくわからない。
 
●編成面の評価
 シーズン当初の編成に偏りがあったことは間違いない。特にDFラインにおいて若手選手の放出&高齢化は誰の目にも明らかだった(私はミケル・アグが解決策なのだと思っていたが、カモフラージュに惑わされていたのか?)。そういう面では厳しい評価にさらされるのも無理はない。
 ただし、近年は「獲りたい選手はシーズン中に獲る」のが隠れ方針っぽい。オフシーズンの真っ向勝負での競争力(資金力)では不利なのでそうなっているのか、Jリーグの現行スケジュールでは夏のブーストが大事という認識なのか。たぶん両方。
 それと、これは現社長が明言しているように「若手の成長に蓋をしない」のもポイント。ただ、今後どうなるかはわからない。ルヴァンカップのレギュレーション変更もあり、若手の保有に対するインセンティブが弱くなっているので。
 
●新スタジアム問題は落第
 チームがJ1に残留して時間を稼いでいる間に新スタジアムに目星を付けることがクラブとしての課題であるが、2023年は(表向き)進捗がなかった。よって落第。
 秋までには平塚市内での建設に向けて動き出すか決まる日程表だったが、いまだに決まっていない。この期に及んでゼロベースなどというワードが聞こえてくる。
 その「ゼロベース」というのが、「まずは平塚での実現を考える」という従来の前提を覆す意味であるなら、実質的な進展なのでよいと思う。本当の意味でゼロベースで適地を探すというのなら歓迎だ。そこに至るまでのプロセスと考えるのであれば、今年のグダグダ感にも(かろうじて)意味があったと言える。
 この1年間の平塚市長の発言を見れば、平塚での建設にこだわるのは時間の無駄である。「ベルマーレが主体となって民間の資金で総合公園以外にサッカー専用スタジアムを造るのであれば応援していきます」というのは、どの自治体でもそう言うレベルの内容であって、断るというのが真意だ。総合公園の中は無理と言うのは市長の発言としてありうるが、近隣の民有地での建設について先回りして「市としてはちょっと難しい」と言い切ってしまうのは、やる気ない宣言ですよ(出典)。きちんと読み取るべき。
 平塚に愛着のある人たちがそれを認めたくない、覆したい、と考える心情は理解するが、あまり良いことだとは思っていない。平塚市にやる気がない以上はホームタウンの他地域での建設を模索するということを、せめてサポーターは共有しないと、次のステップに進みにくくなるから。
 
●2024年の展望
 チームとしては理念強化配分金獲得圏である9位をめざしてほしいが、「少し余裕のある残留」が現実的な目標かなと思う。懸念材料は外国人選手の獲得ができるかどうか。「居住・非居住」問題は湘南には大ダメージという気がする。
 クラブとしては、新スタジアムについて目に見える進展が欲しい。茅ヶ崎と藤沢・鎌倉に意欲があってほしい…。

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高スポ執筆者

  • 荒木又三郎
    高スポ創刊者にして主筆。ACミランを愛する後天性フランス人。高スポ編集雑記に本音をぶちまける。
  • 三鷹牛蔵
    高スポの陰の支配者。湘南ベルマーレを愛する先天性ジャパニーズ。

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