レギュラーシーズン最高勝率でプレーオフ全体のホームコートアドバンテージを獲得した、前年のファイナリストなのだ。サンアントニオ・スパーズの、ダンカンの優勝可能性を論ずるのは平凡だ。毎年書いていることはほぼ同じだし。
今年もこの記事を書くとは思わなかった。昨年は「これがラストチャンス」と思いながら記事を書いていたのだが、いやいや、今季もサンアントニオ・スパーズにはチャンスがありそうだ。
4月には35歳になるティム・ダンカンにとって最後のチャンスが訪れている。“新ビッグ3”を擁するマイアミ・ヒート、名将フィル・ジャクソンのラストシーズンを飾りたい王者・レイカーズなど、本命視された各チームを尻目にサンアントニオ・スパーズが突っ走っている。全30チームの中で唯一8割を大きく上回る勝率でトップをひた走る出来過ぎのシーズン前半であるが、スパーズファンである私は不安を募らせている。
サンアントニオ・スパーズの次の相手は、最大の障害であろうレイカーズだ。シーズンMVPのコービー・ブライアントは、自らの真価を誇示するチャンスだととらえていることだろう。そういうときのコービーは手に負えない。スパーズに勝機はあるのだろうか。
2連覇を目指すサンアントニオ・スパーズは、連覇を阻みうると目される4チームをすべて自力で倒さなければならない。1回戦ぐらいはウォーミングアップ的な戦いをしたいのに、許されない。優勝までに必要な16勝は、すべて全力で奪わなければならない。ベテランぞろいのチームにとっては不安材料だ。
スティーブ・ナッシュが優勝リングを獲得するためのギャンブルだ。アップテンポなゲームを身上とするフェニックス・サンズにとって、機動力に欠け、故障が多いシャキール・オニール(シャック)の獲得はリスクのあるものだろう。しかし、そうでもしなければ可能性はゼロだったろう。
レブロン・ジェームズは確かに凄い。あのレベルのチームをNBAファイナルへ連れてきたのだから、ケチのつけようがない。まだ22歳なのに、生まれながらのチームリーダーと自覚した責任感に満ちた言動、セルフィッシュにならずチームメートを生かし向上させようとするプレイ。キャリア4年目にしてファイナル進出とあまりにも順調であるが、このまま優勝するのは難しいだろうし、それ以上に「まだ早いよ」とも言いたくなるってもんだ。
バスケファンの95%が応援していたフェニックス・サンズは、またしてもサンアントニオ・スパーズに敗れた。「爽やかで正々堂々としていて、好感度の高いサンズのランニングバスケが、地味で汚く神経戦を得意とするスパーズのハーフコートバスケに敗れ去った」という言い方も出来るが、その前にアマレの自滅という線を考えておく。
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